連載「DARK SIDE OF THE ZZZooN」第22回


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個人的にこのような形態でのリリースはこれまでに経験がなく、非CDやアナログ盤ではあるけれど、プレス期間が無い分、各リリースは尋常でなく早い。極端にいえば録音をしたその晩にリリースをすることも可能である。とはいえ、無料配信では無いので、録音をして、ミックスをして、マスタリングをしてという通常の工程は行なっている。実盤が存在しないという点が唯一の性格差異。カヴァージャケットも印刷は通さずにPDFファイルのみ。こういうことが可能な時代なのだと思う反面、そこに寂しさもあるけれど、ZZZooに関しては至極マッチしているように思える。このような形態であるが故に変にかしこまることもなく、アーカイブとしての連続リリースも十分に意義があると思える。

何れ、各リリースからセレクトをしたベスト盤をZZZoo初の"実盤"としてリリースしようというプランもある。初の実盤がいきなりのベスト盤。無論、リミックスも可能である。考えることがいちいち可笑しく加速する。

追記:つい先日、新しいスタジオ録音作品のマスターが上がったばかり。予期せぬグループならではの仕上がりで、これは必聴されたし盤。

森川誠一郎