連載「DARK SIDE OF THE ZZZooN」第11回

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Interview with ZZZoo君 第3回

—— ZZZoo様(あまりに偉大なのでビビリが極まり、「君~さん~様」へと呼称が変わっている)そのサイケデリック革命について、良かった面と悪かった面をお教えいただけますか?

社会的な変革となると、大いに疑問だ。さっき話したチャールズ・マンソンの件もそうだが、ウッドストックは人類にとっては幸せな記憶だったかもしれん。しかしあそこに大勢おったヒッピーと称す連中は、単に丸裸になってクスリでラリっていただけではないか?アホとしか思えん!

オルタモントの悲劇など、互いに殺しあう人類の残酷な面が、平和的である筈の場所でも起きてしまう。人類は大勢集まりすぎると、ロクなことをしでかさん。

戦争や暴動は激化していき、今思い起こしてもあの時代の負の側面がクローズアップされるばかりだ。ただし、それもわしに敵対する大いなる意識の陰謀が働いていたことを忘れてはいけない。



しかしロックにおける音楽的な変革は、素晴らしいものであった。スタジオ録音における実験性に溢れる試みは、現代音楽をポピュラー文化に発展させたものといえる。







ロックにおけるライヴ演奏においても、人類は劇的な進化を遂げたと思う。自由を手に入れた喜びを彼らは素直に表現していた。





わしが最初の種付を行ったからか、人類はその後もプログレッシヴ・ロックなどという、妙チクリンな音楽を勝手に創造したが、あれにはわしは関与していない。人類がサイケデリックのフォーマットから、勝手に妄想して作ったものだ。それでも当初はなかなか素晴らしいものも多かった。





—— なかなか素晴らしい成功と言えますね。

しかし敵対意識は、ビジネス面での成功という甘い汁を周辺のボンクラ共に吸わせ、多くの有能な音楽家たちを堕落へと導き始めた。ドンチャン騒ぎのコカインや、ひたすら陶酔に沈むヘロインのような非生産的なドラッグが蔓延り、既に音楽で成功を収めていた連中はどんどん怠け者になった。

先のプログレッシヴ・ロックとやらは、その後において唯一可能性のあった動きだったが、小手先の技術に固執する偏執狂によって、どんどんマニアック化していき、庶民の手から離れていった。

万人受けだけを狙った毒にも薬にもならんポップ・ソングが世間に蔓延し、ロックはどんどん堕落していった。挙句の果ての姿がこれだ。



—— はあ???

喩えだ(場内爆笑)

—— それでZZZoo様はどうしたのですか?

ロックを大衆の元へと取り戻す必要があった。サイケデリック革命以降、少しずつは種を蒔いていたのだがな。全くもってマイナーな動きで終わってしまった。





—— しかし彼らに影響を受けた動きが、その後に花開くのですね?

とにかく音楽…特にロックは、技巧や商売だけに走ってはいけない。パッションが全てだ。本当はそれだけではないのだが、人類はアホだからな。わしは連中をシンプルな原点に立ち返るよう仕向けた。それは1977年までかかってしまったが。とりあえずここに4つの重要な成功例を示しておく。









—— ZZZoo様、だんだん現代ロック講座のようになってきてるんですけど?

馬鹿者!お前が訊くから丁寧に答えてやっているのだ!このクソが!何なら今すぐ消えるぞ!

まあいい。

何度も繰り返すが、いくらわしが人類をより良い方向へ導こうとしても、相変わらず敵対意識がわしの邪魔をしてきた。その革命者になるべき者たちの内側から、正反対の動きをしそうなオツムの弱い奴を見つけ出し、性悪女やヘロインの誘惑で堕落させ、全体の方向性をブチ壊そうとしてきたのだ。



(つづく)

このまま話を聞いていると、連載4回で終わるのか不安になってきました(汗)ZZZoo様の降臨は一年に一度と決められているため、最終回では重要なことを全てお聞きしたいと思っております。

(田畑満)