連載「DARK SIDE OF THE ZZZooN」第12回


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Interview with ZZZoo君 第4回

—— ZZZoo様、もう貴方の事が偉大すぎて、次を何を訊けばいいのか困っております。

ポピュラー音楽…特にロックにおけるPunk & New Wave以降の流れで、同じような出来事は何度も起こっている。有能な才能を発掘するたび、わしの活動とは真逆の、正に人類の進化を邪魔するレベルでの活動を敵対意識は行ってきた。しかもそれに同調するようなポピュラー音楽の流れを、人類自らが作り出してきたことは、注視せねばならない。

—— 例えばそれは何ですか?

耳触りが良いだけの音楽だ。お前は反感を抱くかもしれないが、お前の好きな80年代懐メロのヒット・ソングは、全てわしの敵対意識によるものだ。







—— えーっ。この辺りの大好きですけどねえ。

個々のバンドが元々持っていたスキルを操り、凡庸な路線に変えていったのは、全て敵対意識の仕業だ。

—— 何でそれがわかるのですか?

馬鹿者!あの頃に何が起こっていたことさえ認識できないのなら、お前は今すぐこのバンドをクビだ。

—— ドヒャー!それだけは御許しを!

MTVはポピュラー音楽において敵対意識が仕掛けてきた最大級の攻撃であった。イマイチ、イマニ、イマサン程度のバンドでも、それなりの雰囲気、ヴィジュアルで成功できる。

仮にその世界で突き抜けた事が出来る者が現れても、バンド間の結束を弱めて骨抜きにしたり、麻薬を使って革命者たる者を堕落させてきた。

とにかくこの数十年間は、その敵対意識との闘争に費やされてきたといって過言ではない。

—— では何故、東洋の片隅の国で、細々とバンド活動してる我々のような者に、ZZZoo様がキッカケを与えようとしているのですか?

お前は神に質問するつもりか?

—— えっ!?神!?

そうだ。神に質問する事が如何に愚かなことかわかるか?貴様らはわしの与えるインスピレーションを消化した音楽をやり続けるだけでよい。全ては許されている。グダグダ理由など考えるものではない。

—— は、はあ…。

但しひとつだけ助言を与えてやろう。練習スタジオで自分達でレコーディングしてアルバムを製作するのは、大変良い傾向といえる。ピントの外れたことを言うプロデューサーや、ロボットのようなエンジニアと仕事をしてムダ金を使う必要はない。

しかしだな。

たとえメンバーが6人と多くても、その後の格安焼肉店の打ち上げで、無闇に二万七千円も経費を使うものではない!昼間のデイパックのスタジオ代より一万円も高かったではないか!このボンクラ共が!

—— ははーっ!畏まりました!

(おわり)

ZZZoo様は意外にケチなのであった。

田畑満