連載「DARK SIDE OF THE ZZZooN」第23回


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参加している各メンバーはそれぞれに持ち場が他にあるが為に、ZZZooに関しては何かと実験的、または試験的なのが良い効果でもあると思う。本来であれば先ずやらないであろうことにも果敢にトライが出来る。いってしまえば誰もZZZooを背負っていないのがその一端。ただ、サウンドに関しての大まかなイニシアチブはリーダーのヤマジ氏にあり、録音に関してはタバタ氏にあるといったような役割分担はある。また、両ギタリストの個性もさることながら、それが意外にも融合しているのがグループの個性を担っている。DEN、KAZIの打楽器もペアであり、偶然にも二人とも阿波踊りの連に属している。単独ボーカルは不在な故にサックスのワカとわたしであれやこれや。ワカは瞬時のユニゾンも流石。演奏×2+2+2=の変動。もとい、場合によってはフロント全員がボーカルを取れるのも強みであるのかも知れない。

皆、個性的といってしまうと身も蓋もないのだけれど、各自バラバラにも関わらず、それらが良い方に作用しているのではないかと錯覚を起こすのが良い。そう、決して各自が意識的に迎合し合ってはいけないのである。そのギリギリのところでのバランスが巧妙になる程が面白い。その点が奇跡的。

追記:オピニオンとなるロゴも強みかつ奇天烈な個性を放ちつつ。

森川誠一郎