連載「DARK SIDE OF THE ZZZooN」第45回



[45]

今年も残すところあとひと月。あっという間の一年間でありましたが、ここは性懲りも無く続きます。

Z : 良し、貴様の思いを何でも話すが良い。

---そういえば、少し悲しいお話を聞いたのです。切ないというか良い話でもあるのですがね。例えば、ZZZoo様が身籠って卵を産むとしましょう。その卵を孵化させる為にZZZoo様は常に身を呈して卵を守っている訳です。自然界には外敵もおりますし、それらの外敵から卵を守る為に何日も飲まず食わずで卵の孵化を守り続けるのです。

Z : ん?身籠りもしなければ卵も産まないがの…

---でね、やがて卵が孵化すると、まるでカマキリの子供達の様に無数に子供が飛び出して来るのです。ところがね、ところが!産まれたての子供達にはまだ食事が無いので、なんと、ここまで飲まず食わずで卵を守っていたZZZoo様の身体を子供達は一斉に食べ尽くしてしまうのです。なんと慈悲深いことでしょう。自らの身を犠牲にしてまで生命の誕生にかけるこの知恵。ZZZoo様がZZZoo様と言われる由縁がここにも。なんと素晴らしい!

Z : 貴様はあれか?、句読点なくどうでもいい話を延々と話し続けるタイプの人間か?人に嫌われる前に正すが良い。喝!

森川誠一郎